2019 December

 

   
 
 
 
写真家の友人から日本建築写真家協会20周年記念写真集「銀座ジャック再び」を頂く。15年前の「銀座ジャック」は銀座中央通りの一丁目から八丁目までを30メートルもの一枚のパノラマ写真としたテーマパークのような展覧会だった。今回の写真集は中央通りのパノラマ写真を核に3Dのような立体感のある構成で、昭和、平成、令和と移り変わる銀座をデジタル技術の進歩と共に感じる貴重な都市の記録。

 

 

 
 
日本の冬らしい快晴の朝、国立西洋美術館にハプスブルグ展を見に行く。オープニングは大変な人でゆっくり見ることが出来なかったので編集部の方々と再訪、ようやくじっくり拝見。

コルビジェの作品群として世界遺産にも登録されたこの西洋美術館、地下には免震構造を覗くことが出来る展示窓が設けられている。地面との間で計49台の高減衰積層ゴムによる免振装置が建物を下から支える「免振レトロフィット」という工法は建物のデザインや機能を損なうことなく地震に対する安全を確保する、画期的な方法だそう。免震装置1台当たり、約140〜300tの建物の重さがかかるとか。外国人の友人を案内すると毎回驚かれるマニアックな展示は日本の高い技術を誇る西洋美術館のもう一つの魅力 。

 

 

 
 
一昨年パリの日本文化会館で開催された「坂倉準三:人間のための建築」展から、建築画報の「坂倉アソシエイツ特集」が届く。坂倉準三氏は1931年〜36年にかけてフランスのル・コルビジェのアトリエに学び、1937年のパリ万博で建築部門のグランプリを受賞して日本人建築家として初めて国際的名声を得る。父の坂倉事務所時代のインタビューページもあり、普段はあまり聞くことのない話をじっくり読む。今も元所員の皆さんと家族ぐるみのお付き合いが続いている稀有な事務所。

 

 

 
 
友人が教鞭を取る明治学院大学のクリスマスコンサートに伺った際、帰りにふと立ち寄った図書館で素晴らしい展覧会に出会う。潮田登久子氏による「BIBLIOTHECA @ MGU LIBRARY」展。明治学院大学に眠る数々の古書の中から、今回は辞書がテーマ。遥か昔に刊行され海を渡って来た洋書や幕末から明治にかけて作られた皮の重々しい装幀の辞書など幾多の歴史をくぐり抜けて来た本たち・・・、モノクロームのポエティックな作品が静かな図書館に並ぶ。1995年から本を主題に撮り続けて来た潮田氏、2017年刊行の「本の景色 BIBLIOTECA」も興味深い。

 

 

   
 
 
Vogueの12月号は9月に亡くなったポーランド出身のドイツ人カメラマン、ピーター・リンドバーグ特集。スーパーモデルの撮影で有名な氏の作品は80年代、VOGUEや Vanity Fair、 Rolling Stoneなど数々の雑誌のカヴァーを飾った。懐かしい写真にパリに着いた頃のシーンがフラッシュバック、パリコレのバックステージを思い出す。当時のスーパーモデルが氏を囲むこの写真は今もモード界の貴重な歴史的ワンショット。

 

 

   
 
 
expo index 今年もいよいよ終わりに近ずきBeaux Artsの「2019年の展覧会」をパラパラと。相変わらずパリは長期にわたる大型の展覧会は充実していたけれど、小さいながらにマニアックな、日本語で言う「珠玉の」展覧会も多く2020年も楽しみ・・・。 page top

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